買ってはいけない望遠鏡と双眼鏡
もし、あなたがこれから望遠鏡や双眼鏡を購入して星を見ようと思っているなら、望遠鏡や双眼鏡は、
- 新聞に広告を出している通販業者
- ホームセンター
- ネットオークション、ネットショップ販売専門の業者
から購入しては絶対にいけません。なぜなら、これらの業者が販売している望遠鏡や双眼鏡（特にズーム式双眼鏡）は、ほぼ間違い無く高倍率をうたい文句にしているからです。望遠鏡だと３００倍〜７００倍、双眼鏡でも１００倍などという、魅力的な倍率がうたわれています。ハッキリ言って、この手の望遠鏡や双眼鏡はまず見えません。望遠鏡の倍率は、レンズの口径をミリで表した数字の良くても２倍まで（６０ミリのレンズなら１２０倍）が限界。双眼鏡ならせいぜい１０倍、ズーム式でも有名メーカー製で１５倍程度まででしょう。これらの条件に合わない製品は、たとえ格安（値引き率が高い物は、最初から安い製品！）でも最初から購入は検討しないで下さい。また双眼鏡の場合、ルビーコートとか称する赤いギラギラするコーティングの物を売っていますが、これもダメです。視野が不自然な色に見えてしまいます。加えて、これらの製品は品質がお粗末で、払った金額ほどの価値は無いと思って下さい。
こんな望遠鏡は要注意！(画像をクリックして下さい)
こんな双眼鏡は要注意！(画像をクリックして下さい)
望遠鏡や双眼鏡の性能は、レンズの口径（とその研磨精度や材質、コーティングの善し悪し等）で決まります。決して倍率では決まりません。倍率で決まるなら、数メートルの大口径望遠鏡を持つ天文台なんて、天文学者には必要なくなるとは思いませんか？望遠鏡（双眼鏡）は口径が大きくなるほど集光力（弱い光を捉えられる能力）が大きく、分解能（細かい所が見える能力）が高くなるのです。天文台の望遠鏡が大きいのはこの為です。
良い望遠鏡、双眼鏡を購入するには
望遠鏡や双眼鏡は大きなカメラ店、あるいは望遠鏡、双眼鏡の専門ショップから購入して下さい。ただ、その場合でも、決して倍率で購入してはいけません。自分の目的と使いやすいかどうかも、判断の材料にする事が大事です。もし、取り敢えず望遠鏡を覗いて見たいというのであれば、「コルキット」や「星の手帖社製望遠鏡（口径４センチ、倍率１５倍）」などの自作キットを試してみるのも良いでしょう。「コルキット」なら口径４センチ、倍率３５倍のスピカが２６２５円（税込み）、「星の手帖社製望遠鏡」なら１５８０円です。個人的には、月のクレーターなどが見やすい、倍率が３５倍のスピカをお薦めします。詳細は機材関連の「コルキット スピカ」を御覧になって下さい。キットと言っても簡単に組み立てられますので、心配は要りません。なお、これらの望遠鏡で観望するにはカメラ三脚が必要です。また、スコープタウンというショップでは初心者向けの良質な経緯台の天体望遠鏡を多数販売しています。最近発売された「ラプトル５０」という、口径５センチの屈折経緯台望遠鏡は価格も安く、アイピースが３個付属、６９８０円で経緯台と三脚も付いているという、お買い得な望遠鏡。通販やホームセンターで１万円もする超高倍率望遠鏡よりも、はるかに品質が良いのでお勧めです。このショップでは「星の手帖社製望遠鏡」も販売しています。