ケンコーのSE120鏡筒は、アクロマートのF5という単焦点屈折なので、青ハロが見事に発生します。経験上、普通の星団星雲観望には気にならないと思われますが、月面や明るい恒星の周囲ではこの青ハロが気になるときがあります。そこで、バーダープラネタリウム社製のフリンジキラーフィルタを国際光器より購入して見ました。
上の写真の左側が、今回購入した２インチフリンジキラーフィルタです。明るい所で透かして見ると、ちょっと淡い黄色に見えます。実際にこのフィルターの効果を試してみました。対象は、200mくらい離れたところにある照明です。コンパクトデジカメとビクセンのLV9mmによるコリメート撮影で比較しました。
なお、以下の比較は私の機材環境での比較ですので、必ずしも全ての方に同じ効果が出る事を保証するわけではありません。また、撮影に使用したアイピース、カメラレンズによる色収差も含まれている事、撮影対象とした照明が、天体（太陽光を反射している月や惑星）と異なるスペクトル特性を持っている事等の理由で、青ハロの減少効果が天体での効果と異なる場合が考えられます。さらに、眼視と写真では網膜とCCD素子の分光感度特性も違うため、実際の観望との印象が変わる事等をあらかじめご承知おき下さい。
フィルターなしでのSE120鏡筒での像です。照明の周囲に、青ハロが広がっているのがわかりますね。結構、見事（？）に写ってしまいます。
フリンジキラーフィルターを入れて撮影した同じ照明です。フィルター無しに比べると、青ハロがかなり低減されています。勿論、完全に無くなりませんが、目立たなくなる事は確かです。効果は確かですね。
こちらはテレビュー８５で同じ照明を撮影したもの。僅かに青いハロらしきものが写ってますが、眼視では全然ありません。アイピース、カメラレンズにより発生した青ハロみたいです。アポクロマートの性能はすごいです。